君の名は)名前を知らないあなたを、僕は忘れない。

もちろん映画の「君の名は」は関係ないですが、
ほんの少しだけドラマのような出来事でした。
ずっと行きたかった展示会に行きました。
ちょうどタイミング的に僕の他にお客はいませんでした。
すこし遅れてある女性が一人で入ってきました。
同じものに興味がある女性というのが珍しく、話してみました。
「よかったら一緒に回りませんか?」
不思議とすんなりと了承してくれて、一緒に見て回りました。
展示物を見ながらそれぞれの感想や想い、考え方など話せるということは、
一人でいるよりより楽しく、そして考えることや感動もありました。
おかげで4時間会場にいました。
帰るときに少しお茶飲みながらお話をして、思わずいろんなお話をしました。
僕は本当に楽しかったので、お礼を伝えました。
そこで、なぜ一緒に回ってくれたのか聞きました。
「なんとなく、いい人だと思ったので。」
でも(肺手術退院後で)声も小さく、片言しか話さないから怖くなかったですか?
「ゆっくりと一生懸命話している感じだったから、話しやすくてほっとする感じでした。大丈夫ですよ。」
手術終わってから、昔通りに戻れないジレンマがありました。
話したいけど口がついていかない自分がイヤでした。
はっきりと話せない自分が退院してからずっとくやしかった。
そんなネガティブな気持ちを持っていました。
でも、名前も知らない彼女は「大丈夫」と言ってくれた。
これでもいいんだ、と言ってくれました
本当にうれしかった。
昔通りでなくても、新しい自分でいいんだと。
薬指に指輪のついた左手をふって見送ってくれた。
偶然出会って同じ趣味で楽しい時間を過ごせたから、名前も知らないままでよかったと思う。
ただの数時間だったけど、今の僕に前に進む勇気をくれた。
僕のネガティブを否定してくれてありがとう。
もし次会うことがあれば、名前を聞いてみようと思う。